金沢の隠れた名産品「あぶらとり紙」
もともとあぶらとり紙とは金箔の製造時の副産物として生まれました。
つまり、金箔の町・金沢はあぶらとり紙の町でもあるのです。
昔から愛される金沢のあぶらとり紙、その魅力に迫りました。
◆あぶらとり紙の種類
金箔屋さくだでお取り扱いしているあぶらとり紙は大きく分けて2種類ございます。
・金箔づくりの技術を応用して生まれた金箔打紙製法のあぶらとり紙
・実際に金箔を製造するのに使われた金箔打紙
後者はさらに金箔を打つのに使用された箔打紙(ふるや紙)と金箔よりも厚い段階である金澄を打つのに使用された澄打紙の2種類に分かれます。
どのあぶらとり紙も皮脂を吸うことには間違いないのですが、箔打紙であるふるや紙はその特殊な製造法により生まれます唯一無二の使用感により今日まで多くのご愛用者にお使いいただいております。
◆ふるや紙(箔打紙)ができるまで
箔打紙は手漉き和紙から作られます。
しかし、そのままの状態では金を10000分の1ミリという薄さに打ち延ばすことは出来ません。
まず雁皮紙という和紙を藁灰の灰汁汁や卵の白身、柿渋などで作られた液に浸し、絞っては箔打ちの機械で打つ、漬けては絞って打つ、繰り返すこと3か月ほど。やっと金箔を打てるような強さと滑らかさを持った紙に仕上がります。
この箔打ち紙の仕上がりが金箔の出来を左右するといわれるほど金箔作りで重要となってきます。箔打ちの職人さんというとよく機械で打ち延ばしているところが有名ですが、実際はこの紙仕込みと呼ばれる作業が多くを占めております。
ただ、この大変な手間をかけて作られました、箔打ち紙も永遠に箔を打ち続けることが出来るわけではなく箔を50~60回ほど打つと金箔をうまくのばせなくなり役目を終えます。
この役目を終えた箔打ち紙はふるや紙と呼ばれ、作業工程で生まれた細かい穴が肌の余分な皮脂だけを吸い込むことで化粧崩れを抑えてくれるので古くから芸子さんや舞妓さんの間で重宝されたのでした。
◆いろいろ活用あぶらとり紙
あまりあぶらとり紙は使わない人も多いのではないでしょうか?
実は、あぶらとり紙はお肌の皮脂だけを取るだけではなく様々なことに使えます。
眼鏡や時計のガラス面、スマートフォンやPCなどの画面拭き、鏡やカメラのレンズ拭きなどなど…
あぶらとり紙ですと繊維も出ませんし使用後も使い捨てすることで清潔です。
また、口紅のおさえにもおすすめです。
ティッシュですと取れすぎてしまうこともあり適度に皮脂を吸うあぶらとり紙のほうが使いやすいようです。
最近ではマスク生活にもおすすめです。
マスク内の蒸れなどもあぶらとり紙でリフレッシュしてください。
気軽に伝統の技を体感できるあぶらとり紙。是非その素晴らしさをご体感ください。
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スタッフ 安田
金箔屋 さくだ
株式会社金銀箔工芸さくだ
本社・本店/〒920-0831 石川県金沢市東山1丁目3番27号
TEL 076-251-6777 (営業時間 9:00 ~ 18:00)
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