金を極限の薄さまで延ばす職人技と、金箔づくりを左右すると言われる紙仕込み。 金箔は「純金にほんのわずか銀と銅を加えた合金」をひたすら打ち延ばしてつくります。十円玉ほどの合金が畳1枚分もの大きさになり、厚みは1万分の1~1.2ミリ。光が透けて見えるほど の薄さで指先で触れると、すっと肌に吸いついて馴染み細かい粉状になって消えてしまいます。 それほどはかない素材であり、箔打ちの仕事は一瞬も気を抜くことができません。静電気をおびやすいので、合金の薄板は1枚1枚薄い紙にはさみこんで打ち延ばし、何段階かの工程をへ て徐々に薄くなり完成します。箔打ちは金本来の輝きをそのままに均一の薄さに延ばしていくことが求められ、そこに職人の高度な技が息づいています。長い時間をかけて、打ち延ばしていく作業 は大変な根気と体力が必要です。
触れるだけで消えてしまうほど薄く繊細な金箔。金箔貼りでは静電気がおこらないように竹箸を使い貼っていきます。隙間があってもいけませんし、継ぎ目が重なりすぎても金箔が無駄になってしまいます。形状の複雑な物でも、その完成形を想像しながら継ぎ目を確実に合わせながら一定の早さを保って箔を貼っていくその技術は見事なもの。様々な工程、技術に伝統が息づいています。 多くの時間と、職人の手間をかけ、職人によって造られた金箔は、工芸品から食品まで幅広く利用され、その形を変えてみなさまの身近なものになっています。
加賀蒔絵は加賀藩三代藩主前田利常が江戸や京都から五十嵐道甫や清水九兵衛などの名匠を招いたことから始まります。
その特徴は優雅で華麗な「加賀蒔絵」と称される装飾技法。
接着剤の役目をする漆の上に金粉や銀粉を蒔いたり(蒔絵)、貝殻をはめ込んだり(螺鈿)、
卵の殻で白色を創って(卵殻)、文様を浮かび上がらせる技法で高度に発達した技術には目を瞠ります。
・加賀蒔絵作家
中村 忠司 (作者名:忠帋)
京都・金沢にて本格的な蒔絵の修行を数年間終えた後に
茶道具・仏壇・筆記用具の蒔絵に研鑽を重ね、
加賀蒔絵の繊細さ優美さを表現する蒔絵作家となりました。
古典及び作品展などにも積極的に参加し、
自己そして蒔絵の持つ可能性の追求にも精進を重ね現在に至ります。
溶解炉にて金地金と少量の銀、銅の地金を1300度位の高熱で溶解し流し型に流して定型の金合金を作る。 炉茶碗では最大量4kgまで溶かせる。
定型された金合金をロール圧延機にて、幅6cm厚さ約100分の5mmの帯状に圧延する。
圧延された述べを6cm各に裁断したものを小兵をいう。小兵は澄打紙に一枚ずつ約200枚挟んで袋革で包み箔打機で打ち延ばす。 延ばされた金は次第に大きな紙に5回移し換え約20cm角厚さ1000分の2mmの上澄を作る。
箔打紙原紙(雁皮紙)を藁灰汁・柿渋・卵白の混合液に浸してしぼる。
絞り込みの済んだ紙を紙仕込み専用の打ち機で繰り返し打ちたたき、約3か月かけて箔打紙に仕立てる。 箔仕込の良否が金箔の品質に大きく影響するため、大切な作業である。
20cm角の上澄を約12等分に切る。小片に切ったものを小間という。
小間を仕込み終わった箔打紙に挟み、約1800枚を1パックとして袋革で包む。
袋革に包まれたパックを1分間で700回上下運動をする箔打機にて約3分間打ち、 15分間熱を冷ます作業を数十回繰り返して、 厚さ約10000分の1mm~1.2mmまで打ち延ばす。
打ちあがった金箔を広物帳に抜き出す。
広物帳に抜き終った金箔を革板の上で、竹枠にて規格サイズ109mm角に1枚1枚裁断し、 手漉きの間紙に挟み100枚単位で仕上げとなる。
職人によって造られた金箔は、工芸品から食品まで幅広く利用され、その形を変えてみなさまの身近なものになっています。 職人の心のこもった商品や工芸品をぜひ手にとってご覧ください。またご興味がございましたら金箔貼りの体験で、ぜひ体験ください。
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金合わせにはじまり、箔移しで仕上げる金箔製品の製造工程には繊細で奥深い職人芸が必要不可欠となります。箔の魅力をより多くの方に知ってもらい、次世代に箔を繋げていきたいと作家・職人がこだわりを持ち制作した製品を取り扱っていますので、金箔を使用した製品をお求めの方はぜひご利用ください。